株式会社エフエム東京 第279回番組審議会
議 事 録
1.開催年月日 平成12年9月5日(火)
2.開催場所 エフエム東京 本社10階大会議室
3.委員の出席 委員総数9名(社外9名 社内0名)
◇出席委員(7名)
子 安 美知子 副委員長 青 池 愼 一 委員
伊豫田 康 弘 委員 香 山 リ カ 委員
内 木 文 英 委員 横 森 美奈子 委員
内 館 牧 子 委員
◇欠席委員(2名)
利 光 松 男 委員長 渡 辺 貞 夫 委員
◇社側出席者(11名)
後 藤 社 長 一 戸 専務取締役
冨木田 常務取締役 青 山 取締役制作局長
佐 藤 常勤監査役 小松崎 事業開発局長
小 針 マルチメディア事業局長 松 田 技師長
田 辺 営業局長 雨 笠 編成局長
林 屋 編成局局次長
【事務担当 林屋番組審議会事務局長】
4.議題
「ぶどう畑の天使たち」
5.議事概要
◇同じ内容をTVで放送したらどのようになるかなどということを思いながら聴いた。ラジオであったゆえに、結果的には誠実に描けたところがあると思う。一般の人にとっても障害者の方にとってもメディアに登場するのは特殊な体験だろう。放送メディアが人の人生を変える権利はないのだが、この番組のスタンスが良かったのか、もしくは物足りなかったのかはわからない部分がある。
◇文句をつけるようなテーマや内容ではないが、TOKYO FMのターゲットには好評だったのだろうか?普段のTOKYO
FMの番組とはノリが違い、教育番組のような雰囲気である。番組自体を特殊にするとバリアフリーを提唱しながら逆行してしまう。むしろ健常者と障害者との距離を作ってしまうのでは。距離感を縮める工夫も必要かと思うが、何かそのための切り口はなかったのか?出演している映画監督本人がこの施設をよく知っているがゆえに、自分の語りに酔っている部分があるように感じられる。時代の先端を行っているTOKYO
FMだけに、リスナーが時代感を感じられるような接点をフィーチャーしてほしかった。
◇今まで障害を持つ方の教育に携わってきた中では彼らを特別扱いしたことは全然なかったが、この番組を聴きながら障害者とどのように接するべきかについて考えさせられた。私の学校には障害を持つけれども勉強したい方が集まっており、お互いに何でも言い合える関係になっている。芝居の世界でも障害者はセンセーショナルに取り上げられがちだが、彼らを特別扱いしない方がいいという感想を持った。
◇重要なテーマの意義深い番組だった。聴き取りにくいところもあったが、福祉をめぐる様々な問題を提起している。共通の意識を持つ者同士の会話が描かれているが、元々そのような同士は言葉がなくても通じ合える。しかし、ある問題に対する背景・体験・知識を持たないリスナーに対しては、もっと説明をする必要があるだろう。説明不足のまま進行するため、重要な問題提起をしているのに具体的なことがよくわからないということが残念だった。これはインタビュー番組、対談番組など、会話で進行する番組すべてに共通する課題だろう。
◇このようなテーマを扱うのは非常にいいことだと思ったが、番組自体としては、演出に出演している映画監督を起用したのは失敗だろう。映画監督自身の思い入れが強く、リスナーに対して番組が何を訴えたいのかが全くわからない。傾斜地でぶどう作りやワイン作りに励んでいる子供の声が全く入ってないが、これではスタジオで録音するのと変わらない。エンディングに入る部分で子供が「さざんかの宿」をピアノで弾いていたが、なぜこの曲を弾いたのかという彼の心情などについても全く触れていない。また、最後の映画監督によるモノローグの内容もよくわからない。自閉症などの障害者に対して周りの人間がどのように対処しているのかなどの問題点をリスナーに気づかせるという視点があって然るべきだと思うが、聴いた範囲ではそういう部分がなく、残念だった。
◇つまらなかった。その理由としてまず、番組のコンセプトがはっきりせず制作者が何を伝えたいのかがわからない。具体的には、番組タイトルを「ぶどう畑の天使たち」とするようなクサイ切り口をいつまでやるのだろうか?私自身「こころみ学園」に訪れたことがあるが、紹介記事を書くにあたり、単に「知的障害者
=
天使」という切り口はつまらないし古くさいので、ここをどのように伝えたら良いかという切り口については考え抜いた。番組を制作する際はこのあたりについて、プロデューサー、構成作家など、番組に携わるすべての人がもっと真面目に取り組まないといけない。「こころみ学園」の説明が不足している。これではわけがわからない。難しい漢字ばかりを書ける子や、大正以降のカレンダーすべてを覚えていて日付を言った途端曜日を言える子など、「こころみ学園」には面白い子供に関するエピソードがたくさんある。ラジオだからと言って拾えない話ではなく、音だからこそもっとわかりやすく若い人に訴えかけることがあったはずなのに、全く触れていない。また、編集がまずい。リスナー・サービスという意味でも、聴き取りにくいナレーションはもっとドラスティックに編集すべきである。さらに、この土地のワインやシャンパンは国内有数のクオリティの高さを誇るのに、そのような背景をリスナーに伝えている部分が欠けている。制作者の番組作りに対する基本的な姿勢が甘いという気がした。
◇テーマ自体はどんどん取り上げていただきたいものだった。聴き取りにくい箇所もあったが、「甘やかしてしまったことで、働ける人も働けなくしてしまう」などの指摘は大事だと思った。ただ、園生たちの障害の程度や人数など、「こころみ学園」の実態についてもう少し事実に則した説明が欲しかった。また、ラジオ局として、番組内容が二極分化していかないようにということを念じた。それは、昼間の番組のような賑やかなものとこのような誠実なテーマを扱うものとが別々にならず、楽しく笑いの多い番組の中に誠実さ・真面目さ・真摯さがあり、重みのある番組の中に軽みや笑いが入ってくるような方向に、全体として持って行っていただきたい。
6.改善意見に対して採った措置
審議会の意見・要望は、各担当部長より部員に伝達された。
7.公 表
議事内容を以下の方法で公表した。
・放 送 :番組「ブランニュー・モーニング」9月21日(木)放送内
・書 面 :TOKYO FMサービスセンターに備え置き
・インターネット :TOKYO FMホームページ内http://www.tfm.co.jp/hensei/bansin
8.その他
次回の審議会は10月3日(火)に開催することに決めた。
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