<株式会社エフエム東京 第320回放送番組審議会>

 

 

1.開催年月日  :平成17年3月1日(火)

 

2.開催場所    :エフエム東京 本社10階大会議室

 

3.出席委員(8名) 

          子安 美知子 副委員長     内 木 文 英 委員

       青 池 愼 一 委員        渡 辺 貞夫 委員

       伊豫田 康弘 委員        横森 美奈子 委員

       内 館 牧 子 委員        香 山 リ カ 委員

 

4.番組試聴

【番 組 名】 「6 Sense」

【放送日時】 2005年2月21日(月)〜2月24日(木) 6:00〜9:00放送

【番組概要】

この30年の間に、家族行動に影響を与える三つの変化が起きている。一つは結婚していないカップルが増えたこと、もう一つは子育て中でも働く女性が増えたこと、そして出産年齢が高くなり、晩産化が進んだこと・・・。

2月21日からの4日間、「6 Sense」では“TOKYO NEXT LIFE〜少子化時代のLIFESTYLE”をテーマに各種統計や他国の状況を取り上げるとともに、独自の角度から少子化について考えました。

主な企画は以下のとおりですが、今回は月曜から木曜放送分からポイントとなる部分をピックアップして編集し、試聴していただきます。

(そのため一部は収録されておりません)

 

《著名人が語る少子化》

◇『リング』著者の鈴木光司さんが語る少子化時代の父親の役目

「夫がダメだから母親は子供に力を注ぎすぎる・・・」

◇アートディレクターの佐藤可士和さんが少子化時代に残したいモノを

「幼稚園を楽しくデザインする事により、勉強したり、いじめがなくなったり・・・デザインの力で子供たちを変えたい」

◇漫画家・倉田真由美さんが語る“だめんず”と少子化

「女性は目を曇らせる事ができない・・男性を見るレベルは下がらない」

◇金原ひとみさんのお父さんが語る、子供の育て方・才能を伸ばす方法

「東京のエンタテインメントに触れる事で才能を伸ばし、子供と一緒にそれを楽しむ事がいい関係を生む」

◇『私は産みたい』の著者で国会議員の野田聖子さんは政治家から見た少子化

「子供を産んだとき、社長自らがバンザイをして会社の雰囲気を作る事が大切」

 

《アーティストが選ぶ「未来の子供とたちに残したい1枚のアルバム」》

・Hitomi        We Love Music/International Pony (独:エレクトポップ)

・山下達郎       ピアノ曲全集(U) ギーゼキング/ドビュッシー

・クリスタルケイ    VELVET ROPE/JANET JACKSON

・森山直太郎     ZIGGY STARDAST/DAVID BOWIE

BEGIN        BLOOD LINE/喜納昌吉&チャンプルーズ

 

《前週に実施したアンケート企画の結果》

月)たとえシングルマザーでも子供が欲しい…、結婚はしたいけど子供はいらない…
【子供がいる生活、いない生活 ― 選ぶならどっち?】
    78割が子供のいる生活を支持。
 
火)東京都心に住みたいか、地方? 海外?
【将来どこで暮らしたい?】
    →東京と答えた人は極端に少なかった。
 
水)あなた自身は…、あなたの家族は…
【結婚相手は日本人にこだわらない?】
    6割が結婚相手は日本人にこだわらないと回答。
 
木)貯める? 投資する? 留学など自己投資?
【将来に向けたお金の使い道、どう考えていますか?】
    →老後の資金、自己投資(旅行・趣味)、貯金・・・様々な答えが寄せられた。
 
金)定年まで? その後も生涯現役?
【何歳まで働きたいですか?】

    →生涯現役、働けるだけ・・・60代を挙げた方多数。

 

(試聴時間:約28分)

 

 

     「少子化」は非常に大切なテーマである。面白く聴かせて頂いた。気になったのは、番組のスタンスである。誰をターゲットとして番組を作っているのかが曖昧だった。ゲストについても、個々人の話は面白いが、人選の基準に曖昧さを感じた。また、パーソナリティに関しては、彼女自身の少子化に関するスタンスが曖昧で、自分の言葉できちんと語れていないように感じた。これでは、この人の話を3時間も聴くのは耐えられない。婚外子の問題については、以前取材をしたことがあるが、現実には様々な問題がある。そのような問題も含めて、もっと多面的にまとめられるとよかったと思う。

 

     試聴番組のタイトルには「少子化時代のライフスタイル」という副題がついている。この副題通り、少子化によるマイナス面だけではなく、プラス面で少子化をどう考えるか、ということを取り上げてほしかった。少子化進行については、いた仕方のない部分がある。だからこそ、少子化と向かい合った上で、プラスの面から、世の中はどう変わっていくのか?政治や自治体の動きは?少子化によりどういう子供が増えるのか?このまま少子化が進んでいくことにより、世の中はどう変わっていくのか?ということについて、具体的なイメージを持つことができる、まさしく「少子化時代のライフスタイル」を考える番組になればよかったと思う。

 

     番組の全体的な流れの中で聴くとまた印象が違うのかもしれないが、全体的には面白く良い番組だと思った。著名人が語る少子化は、様々な切り口からのアプローチで興味深かった。「ライフスタイル」ということを考えると、確かに言及されていないように感じ、これは残念な点であった。また、もっと色々な意見や多面性を追及してほしかったと思う。

 

     ラジオとは、ある問題を取り上げて紹介した時に、ある時点でそれ以上突き進んでいかないメディアではないかと考える。たとえば、子供の性教育など扱いにくい問題もある。正しい知識を教える問題、性病やエイズの問題、そしてそれらが教室の中ではどのように扱われているか、という問題。ラジオでは真剣に深く扱うことができない問題かもしれない。そう考えると、今回の試聴内容に関しては、つっこみ方は甘いが、甘いなりによくできている番組だと思った。ただ、甘いところで終わってしまっていると、踏み込んで、常識を超えて、何かを表現することがなくなってしまい、作り手の充実感がないのでは?と思う。

 

     朝から重いテーマの話だと思った。こういう現象をテーマにしなくてはいけないのは、情けない、と思ってしまう。若い人たちの性に関する考え方も大きく変わってしまったと思う。アートディレクター佐藤可士和さんの幼稚園リニューアルプロジェクトの話は良かった。成長における大切な時期に、クリエイティビティを刺激するような空間を与える取り組みは素晴らしく、嬉しいことだと思った。しかし、繰り返すようだが、このようなテーマを取り上げる状況は情けない。

 

     このような深刻なテーマをこの朝の時間帯にやる必然性は?リスナーがどういう状況でこの番組を聴いているのか?個人的にはよく分からなかった。しかし、番組自体は力が入ったきちんとしたものであったと思う。パーソナリティに関しては、個人的には好感を持った。あまり重くならずに、ポイントは押さえつつ、ラフな感じでテンポ良く進める感じが、朝のこの時間にはちょうど良いと思った。ゲストの人選について、漫画家の倉田さんは個人的に彼女を知っているだけに、喋りがあまりうまくないため、彼女のいい部分が十分に活かされていなくて、非常に残念だった。全体的には、断片的に伝わってくるリアリティがあり、楽しめたと思う。

 

     最近、結婚の問題や少子化の問題は憂うべき事態として捉えて語られたり、その対策として、独身税の導入なども、はっきり自由に語られるようになってきていると思う。このほかにも、少子化を前提とした社会の構築とそれに伴うラジカルな政権交代、生みたくても生めないという問題、結婚をする・しないの問題・・・。これらについて、自由に意見を言ったり、選択をできる状況が今の日本にはあると思う。曖昧ではあるが、いろいろな立場の人や意見があることをもっと取り上げてほしいと思った。

 

     少子化とは、一概に何が正しいとは言えない、複雑なテーマである。このようなテーマの内容が毎日流れることにより、ふと思い出したり考えたりすることもあると思うので、毎朝聞くのは悪くないな、と思った。ただ、ゲストの野田聖子さんの話は少しわざとらしく感じた。政治家として、欧米諸国を参考にし、養子やもらい子の問題をもっと真剣に考えていないのであろうか?また、パーソナリティについて、ドビュッシーの曲紹介をする時に、イタリア人の詩を引用していたが、デリカシーが無い読み方でせっかくの曲が台無しだと思った。

 

 

 

 

以 上