『Hellosmile Lounge』今夜も、女優の原千晶さんをお迎えして、ご自身の子宮頸がんの経験、原さんが立ち上げた「よつばの会」について詳しく伺います。
お相手はモデルの菅野結以さん、そして「Hellosmile」の小巻亜矢さんです♪
(小巻さん)
子宮頸がんって病気になると、病気だけの事ではなくて、恋愛や結婚にも大きく関わってくることだなと思うんです。
(原さん)
私自身が30歳で子宮頸がんになった時は、周りからの理解をなかなか得ることができなくて、1人で抱えることが多かったんです。
2004、5年当時、今から10年以上前は、まだ今のように子宮頸がんに対する情報だったり、検診の制度などもそんなに成り立っていなくて、
それでもインターネットや本を取り寄せて見てみても 、「性交渉が関連してる」ということを書かれていたりすると、どうしたらいいか分からないような、
要は、私だけの問題じゃないってことなのかとか、実際当時もお付き合いしている人とかもいて、(パートナー)に正直に言いました。でもやっぱり難しかったですね。
子宮頸がんに対する知識もないし、かく言う私にもないんですよ。実際、病気になってみたけど、「いったいこれは何?」ってとこが拭い去れなかったので、
なんか2人でそこが空回っちゃったりというか、最後まで相容れることができなくって、結局お別れしてしまったりとか、ありました。
今くらい情報があったり、相談できる場所があればもっと違ったなと、振り返ってみれば思いますよね。
(小巻さん)
子宮頸がんって、ずいぶん知られるようになったのは、ここ5、6年ですよね。
(原さん)
本当に変わってきてるので、それは肌で感じます。
(小巻さん)
若い女性自身もよくわからない、なおさら男性にはその知識とか、感覚っていうのは届かないことの方が、今もまだ多いでしょうし、その当時は多かったんでしょうね。
(原さん)
そうですね、前はもっと強かったですね。
理想を言うと、男性にも理解してほしいなということは変わりないですけど、やっぱり女性の身体は女性にしかわからないじゃないですか。
毎月やってくる生理とどう向き合うのか、胸の状態がどうなのかとか、やっぱり自分にしかわからないので、ちょっと考えていかないと、
悪い方向に行っ ちゃうっていうのはあるかもしれないですからね。
(小巻さん)
原さんの著書を読ませていただくと、その後に素敵な出会いもあって、子宮体がんになった時はパートナーと共に乗り越えられた経緯があって、原さん自身もいろいろ乗り越えられて、
女性としては辛い、子宮を摘出するという決断、その体験をされて。でもご結婚もされて、本当に良かったなと思うんですけど、そんな体験からどんなことが気づきとしてありましたか?
(原さん)
最初の子宮頸がんの時は理解を得られなかったんですが、その後に今の主人と出会って、付き合ってしばらく経った頃に
「私、子宮頸がんって病気をしたんだ。子宮は残っているんだけど」って言ったら、主人が「病院に行ってないけど 、なんで?」って。
それから、もう「病院行きなよ」って。でも私は関係ないって、大丈夫だからと言って突っぱねてたんです。
その結果、2009年に具合が悪くなって病院に行って癌が見つかった時に、もう本当にどうしようかと思いました。
彼も病院についてきてくれていて、先生から「恐らく、また癌ができてるから大変な治療になるけど」と言われたと言ったら、すごく顔色が変わっていましたけど、
「とにかく絶対に元気に、健康になろう」と。
当時まだ、付き合っていたけど結婚するつもりでいたので、
「私と一緒にいるってことは子供が授からない人生を負わせてしまう、だから今のうちなら別の人生を歩むこともできるよ」って言いながらも、
心の中では「 私のこと見捨てないで」って思ってるんですけど、
彼が「そんなことはない。とにかく今は元気になることだけを考えよう」と。
「子供ができない人生というのはたくさんある。そういう人はたくさんいる。恐らく僕にもその運命をもって生まれてきて、ちいちゃん(原さん)と出会ったんだと思うから、2人で楽しくやっていこうよ」
って言ってくれて、それで主人の言葉に私もとっても救われて、今があって。
実際の治療は、大きな手術と抗がん剤と約半年間、本当に大変だったんですけど、顔色一つ変えずに、いつも変わらない態度で私に接してくれて、ありがたかったですね。
(小巻さん)
どれだけ力になったことでしょうね。
(原さん)
1人じゃ無理でしたね。
自分を産んでくれた母と主人とで、半年間支えてくれたので、私にとって世界で一番大切な2人がそばにいてくれたので、ちょっと贅沢な半年間でもあったんですけどね。
M:Lovin’ You / Janet Kay
(小巻さん)
原さんがご自身の経験を踏まえて立ち上げられたのが、「よつばの会」という、患者さんを支援する会なんですよね?
この会で、いろんな患者さんに出会われたと思うんですけど、どんな方がいらっしゃいましたか?
(原さん)
婦人科の癌(乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん)という、女性特有の癌を経験した方が、1人で悩むことなく、
みんなで経験を共有し合って『1人じゃないんだよ』ということを知ってもらうための会です。
実は昨日も高知県に行っていたんですけど、やっぱり特徴的なのは、本当に皆さん若いんです。
若い人では20代。30代・40代が一番層が厚くて、50代・60代の方がいらっしゃるんですけど、もう本当に若年化しているなって。
一番、働いたり、子育てしたりっていう、脂が乗っている時期に、婦人科の癌のピークがドンと乗っかってきてるっていう、これが現実なんですよね。
私も本当にたくさんの女性の話を聞いてきていて、やっぱり私のように治療によって子供が産めなくなったってことも非常に辛くて切ないことではあるんですけど、
でも一番あってはならないことが、小さなお子さんがいたり、まだ自分が一生懸命に“お母さん”をやっている中で、癌が見つかってしまって、見つかった時にはもう遅くって、
最悪、命を落とされてしまうというような、そういったケースをいくつか見てきたんです。
その時に、「それだけは、あってはいけないな」っていうのをちょっとね。
本当に身につまされる 思いで。
(小巻さん)
子供を残していく母親の気持ちも切なすぎますけど、やっぱりお子さんのことも思うと、たまらないですね。
(原さん)
残された子供もね、まだまだお母さんを必要としている年齢で辛いっていうのもあるけど、
なによりも、自分の魂というか全てをなげうってでも守りたい存在である自分の子供を残していかないといけないというのが、もう言葉では表現できない思いがね。
(小巻さん)
本当に、子宮頸がん、子宮がん、自分だけの事じゃないっていうことですよね。
(菅野さん)
大切な人の人生も変えちゃうっていうことですよね。
(原さん)
まさにそうで、私たち女性が自分の身体を守って、若い世代の、これから結婚したり子供を産 んだりっていう世代の女性たちにはね、自分がそうだっただけに言いづらい部分もあるんだけど、
やっぱり自分の身体は自分にしか守れないっていう、だから、しっかり守ってもらいたいなって。
元気な赤ちゃんをいつか産みたいって思っている若い女性たちには、健康なおっぱいと、子宮と卵巣がきちんと機能していなければ、妊娠、出産できないし、
その後も、お子さんが元気に巣立っていくまでの子育てということにも関わってくることなので、本当に女性の身体とか健康っていうのは、大きなウエイトを占めてると思います。
(菅野さん)
原さんの著書、
『原千晶39歳 がんと私、明日の私、キレイな私』
という本に、本当に詳しく赤裸々に、この癌の経験がつづられているんですけど、私も読ませてもらって、20代、30代の若い方にこそ、これは読んでもらいたいなって思ったし、
自分にはまだまだ関係ないなって思っている人、たくさんいると思うんです。
こんなふうに、いきなり病気は襲ってくるものだし、いきなり自分の生活を変えてしまうものだし、大切な人の生活も変えてしまうっていうのも、すごく身にしみてわかる本で、
しかも、何て言うんでしょう、変に説教くさくなくというか、もうリアルな経験がつづられてたので。
(小巻さん)
病気のことなんだけど、生きることへのメッセージに溢れているんですよね。
(菅野さん )
是非読んでみてほしいなと思います。
最後に、原さんからリスナーの皆さんにメッセージを頂いてもいいですか?
(原さん)
私自身が30代で2度、子宮の癌を、頸がんと体がんを経験して、今こうやって命あって活動させてもらっているって中で、「よつばの会」という婦人科癌を経験された方の中で、
やはり癌が進行してしまって亡くなっていく女性を何人も見てきました。
そのみんなが、みんなが口をそろえて必ず言う一言があるんですが、
「もっと早く病院に行っておけばよかった」って言うんですよ。
ポツリと、呟くように言うんです。
そういえば、ずっと生理がおかしかったんだよな、そういえば、ずっとここに“しこり”があったんだよなって。
やっぱり病気に なる前に、きちんと自分の身体をチェックしていくということが、本当に大事なんだっていうことを、私たちは身をもって経験したので、
どうかリスナーの皆さん、ご自身の身体、痛いとかかゆいとかちょっと変とか、自分にしか分からないですから。
だから怖がらずに、どうか病院に行ってきちんと検診を受けて、これから赤ちゃんを産みたいと思う若い女性の皆さんも、きちんと身体のチェックを怠らないでください!
(菅野さん)
2週に渡って女優の原千晶さんをお迎えしました。
本当にありがとうございました!
オンエアー曲リスト
M:All That / Carly Rae Jepsen
M:Lovin’ You / Janet Kay