日本列島は、そろそろ梅雨のシーズン。
雨の日は、さまざまな事情から、交通事故が増えます。
そこで、今週と来週は「雨の日の交通安全」。
今週は「クルマ編」でした。
以前、JAFは試験を行いました。
溝の深さが違うタイヤを用意して
路面が渇いている時と濡れている2つの状態で
直進進行中にブレーキを踏んだら制動距離はどのくらい違うのか計測。
使ったのは夏用タイヤ。
紹介する制動距離は実験の平均値です。
<新品の状態の10山>
時速60kmの時は、渇いた路面の制動距離が17.0m。濡れた路面は16.7m。
時速100kmの時は渇いた路面では47.5m。濡れた路面は47.6m。
あまり変わりません。
<タイヤの溝が新品の半分の状態5分山>
時速60kmの時は、渇いた路面の制動距離が16.3m。濡れた路面は16.7m。
それほど変わりませんが・・・
時速100kmの時は、渇いた路面では44.1m。濡れた路面は50.8m。
6m以上も伸びます
<タイヤの溝が新品時の5分の1状態の2分山)
時速60kmの時は、渇いた路面の制動距離が15.8m。濡れた路面は18.0m。
これまでより違いがあります。
時速100kmの時は、渇いた路面では42.6m。濡れた路面は70.5m。
30m近くも伸びています
ここから導き出されるのは、
雨のシーズンには溝がきちんと残っているタイヤを使用すること。
さらにスピードを出し過ぎないこと。
一般に残り溝4mm以下が夏タイヤの寿命。
溝が残っていても使用開始後5年以上経過で交換が推奨されています。
そして、残っている溝の深さが1.6mmになるとスリップサインと呼ばれるマークが出てきて
1箇所でもスリップサインが出たタイヤは、道路交通法で装着・使用が禁止されています。
次にドライバーの皆さんが、これまでの体験からお分かりのように
雨の時期は視界の確保に気をつける必要があります。
雨の日はワイパーによる拭き残しやドアガラスやミラーに付着する水滴が原因で
死角が増えることがあります。死角に危険が隠れていないか、体を動かして目視で確認します。
フロントガラスが曇る場合もあります。
これはガラス面の内側を清潔に保つことで曇りにくくなります。
薄めた中性洗剤を染み込ませたタオルでガラス全面抜いて
その後乾いたタオルでしっかり乾拭きしてください。
さらに市販の曇り止めスプレーを使うと曇りを防ぐ効果が期待できます。
また、ワイパーは消耗品ですので定期的な交換がおすすめです。
交換時期はワイパーゴムが半年から1年ごと、
ワイパーブレイドは1年から2年ごとが推奨されています。
次に視覚とともに、私たちが安全にクルマを走行させるため
大切な情報である 音にも配慮しましょう。
雨天時はドアガラスを閉めての走行となり
雨がボディーに当たる雨音やワイパーの音などで車外の音が聞こえにくくなりがち。
カーステレオの音量を控えめにしたり、
必要な場所に応じてドアガラスを少し空けるなどの配慮を行ないましょう。
また自転車の横を通過する際は、自転車が雨合羽のフードによって
周囲の音が聞こえにくくなってる場合があります。
自転車側が車の接近に気づいていない可能性があるので十分気をつけましょう。
最後に大量の雨がクルマを危険に陥れることがあります。
災害に巻き込まれないようにして下さい。
台風や大雨の際には、急な道路の冠水や川の増水が発生しやすくなります。
大雨に遭遇した際は川沿いや海岸沿いの他、高架下や立体交差のアンダーパスなど、
周囲より低い場所には絶対に進入せずに迂回するようにしましょう。
また、冠水した道路は見た目だけでは水深を測ることができないため、
進入してしまうと予想以上に深い場合がありまして、
場合によってはエンジンが停止し、立ち往生する可能性があります。
雨のシーズンの運転には特に気をつけましょう。
次回は「雨の日の交通安全 歩行者編」です。