スーパーマーケットなどへ買い物に行く時、自転車を利用している方は多いでしょう。
クルマよりも手軽に使えて便利。経済的で、ちょっとした運動にもなる自転車利用。
ただし、荷物がある時には、特に注意が必要です。





多くの場合、買い物した荷物は自転車の前のカゴに入れるでしょう。
その荷物の量が多かったり、重さがある場合には、
運転しにくくなる、ハンドルをとられる危険があるので対処を施しましょう。

今回、お話を伺った自転車ジャーナリストで自転車の安全利用促進委員会メンバー 
遠藤まさ子さんによると、荷物の重さでハンドルを取られやすくなるので、
重量のある荷物を載せる場合には自分の体力がそれに見合うか
そもそも前カゴにどれくらいの荷物が詰めるか
積載量も確認したほうがいいでしょうとのこと。

そして、前のカゴに荷物を入れている時は、
段差の弾みで荷物が飛び出して前輪に挟まり、
転倒事故に繋がることも報告されているので
前カゴに荷物を積む時にはネットをかけるなど落ちないように気をつけましょう。





大きめの飲料やお米などの重い荷物を運ぶのであれば、
前のカゴよりも後ろの荷台(リアキャリア)に乗せた方が、バランスが取りやすくなります。
その際もネットなどで、しっかりと縛りつけましょう。

また、リアキャリアには積載量が明記されていて
10kg未満、27kgまで大丈夫など、積載量のタイプが何種類かあります。
乗っている自転車のキャリアはどうか? 押さえておきましょう。





遠藤さんによると、自転車と荷物については他にも気をつけるべきことが多々あります。
一番多く、そしてまた大きな事故になりがちなのが、傘が前輪に挟まってしまうこと。
バランスを崩して転倒してしまい、大怪我を負う例もあります。
自転車利用の場合はなるべく折りたたみ傘をバッグにしまう
傘を持たず、雨合羽にすることを習慣づけるといいかもしれません。

車輪への巻き込み関連では、これからの季節は、
スカートやマフラーが前輪、後輪に巻き込んで事故に繋がる可能性があります。
冬に自転車に乗る時は服装にも気を遣いつつ、マフラーをするならしっかり結ぶよう
心がけてください。





荷物ではありませんが、日々お子さんを自転車のチャイルドシートに乗せて
運転している方もいらっしゃるでしょう。小さな子どもとはいえ、一般の荷物と比べれば、
重さはなかなかのもの。お子さんの安全のためにも利用は慎重に。

チャイルドシートの取り付けはマスト。
また、前後いずれも乗せられる年齢や重量が決まっていることにも注意しましょう。
子どもが足をぶらぶらさせる、通り過ぎる何かに興味を持って好奇心から
触ろうとして体重を移動する、足を動かすといったことが事故に繋がります。
こうしたことがないように気を配って下さい。





自転車であまりに大きな荷物、
あまりに重い荷物を載せる方はいないと思いますが、
お住まいの地域によって、制限があります。
例えば、東京都では自転車に積める荷物は30kg以下。
長さや幅や高さの決まりもあります。
一度、こうしたルールもチェックしておいて下さい。

思わぬことが大きな事故に繋がらないとも限りません。
荷物がある時の自転車利用も気をつけましょう。
そして、ヘルメット着用は、お忘れなく。
秋の交通安全運動期間中の放送だった
先々週と先週の放送でも伝えましたが、
夕暮れ時は交通事故が最も多く発生する時間帯。

そして、日没時間が早まる10月から12月は、特に交通事故が多い時期。
今回はモータリングライター 藤田 竜太 さんにお話を伺い
ドライバーと歩行者、それぞれの立場から事故を起こさない、
事故に巻き込まれないポイントを考えました。





警察庁によると時間帯別に死亡事故の発生件数を見ると
日の入り時刻と重なる17時から19時台に多く発生しています。
令和元年から令和5年の薄暮時間での月別死亡事故件数は、
最も少ない6月の77件に対して10月 197件、11月 220件、216件。
これからの薄暮時間に気をつけなければいけないことがわかります。

10月から12月の薄暮時間に事故が多くなる理由の1つが帰宅ラッシュ時間と重なること。
ドライバーの視認性が悪くなるタイミングに家路を急ぐ人たちが増えて
事故が起こりやすくなる状況になってしまうと考えられています。

ドライバーの目は日暮れ時の暗さに目がなかなか慣れません。
人間の目は明るさの変化に順応するのに意外に時間がかかります。
そのことが自覚できないまま周囲の歩行者などの発見が遅れることも原因とされています。





薄暮時間に多いのが自動車と歩行者の事故で死亡事故の半数は、このタイプ。
日中の3.3倍に上ります。大人は早く家に帰って家族に会いたい、一息つきたい。
子どもはお腹減った、夜ごはんが待ってる・・・と、考えてみれば夕方は誰もが急ぎがち。
そこを「急ぎすぎると危ない」と自制しないといけません。

事故を呼び込まないための対策。
ドライバーはヘッドライトの早めの点灯が第一です。
日没の1時間前にはヘッドライトを点灯して被視認性を高めましょう。

2000年以降の新車に義務付けられたオートライトは、
100ルクス未満になるとヘッドライトが自動的に点灯しますが、
基準となる100ルクスの明るさは日没の1時間前の太陽光と言われています。

また、薄暗くなると距離感や速度を正確につかむのが難しくなるので、
全般的に昼間より速度を落として走行するようにしましょう。

そして、薄暮時間帯の自動車対歩行者の事故の86%は歩行者の横断中、
そのうち76%が横断歩道以外の場所での横断となっています。
信号機や横断歩道のない交差点や細い道は速度を落として慎重に走ることが肝心。
対向車や前走車がいないときは、積極的にハイビームに切り替えて
遠くの歩行者や自転車を早めに認識できるようにすると安全度が増します。





次に歩行者の注意点。
前述のように、薄暮時間帯に歩行者が横断中に発生した死亡事故の76%が横断歩道以外。
そして、その7割に法令違反があったことがわかっているので、まずは交通ルールを守ること。

そして、ドライバーから見えやすい明るい色の服を着るのが理想的です。
反射材やLEDのランプなどを利用しましょう。

もう1点、右から来た車が停まってくれた時に、すぐさま道路を横断し始めると、
左から来た車に衝突してしまうケースも少なくありません。
ドライバーから見ると道路右側は視界が悪く、歩行者の発見が遅れがち。
歩行者は横断時によく確認してから横断することが重要です。

しかし、まずは信号機のある場所、横断歩道のある場所、
道路照明のあるできるだけ明るい場所を選んで道路を横断しましょう。





これからの薄暮時間は急がない! 早めのライト点灯!
歩行者は反射材を活用して、交通ルールを守り、
安全なところで道路を横断する。
お子さんや、身近のご高齢の方にも注意を促し、
1つでも悲しい事故が減ることを目指しましょう。
9月21日から9月30日(火)までは「令和7年 秋の全国交通安全運動」の期間。
今週は、その大切なポイントをお伝えする後編。
警察庁 交通局 交通企画課 安全係 中村 好孝さんに
秋の全国交通安全運動の重点ポイント3つの残る2つについて伺いました。





まずは2つ目の「ながらスマホや飲酒運転等の根絶と
夕暮れ時の早めのライト点灯やハイビームの活用促進」。
         
日没時間が急激に早まる秋口以降は、
夕暮れ時間帯などにおける交通死亡事故が増加します。

特に日没後1時間の死者が多く、また、夜間は昼間と比較して
歩行者が横断中に死亡する事故が多くなっています。
夕暮れ時の早めのライト点灯を心がけましょう。
         
対向車や先行車がいない場合には、ハイビームを使い
上向き、下向きのこまめな切替えをして下さい。





運転中の「ながらスマホ」については、
画面や会話に意識が集中してしまい、周囲の危険を発見することができず、
歩行者や他の車に衝突するなど、重大な交通事故につながり得る危険な行為です。
絶対にやめましょう。





そして、飲酒運転については「飲酒運転を絶対にしない、させないという
社会を力を合わせて作りましょう。特に5台以上の自動車を使用している
事業所等の安全運転管理者の方は、運転者に対する運転前後における
アルコール検知器を用いた酒気帯び確認等の義務を確実に履行していただきたいと思います」
と中村さんは話していました。





秋の全国交通安全運動の重点ポイントの3つ目。
「自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底とヘルメットの着用促進」。

まず、自転車について。
自転車は車両なので原則として車道の左側を通行するようにして下さい。
やむを得ない理由があり、歩道を通行する時も、歩道は歩行者優先。
徐行で進み、歩行者の行動を妨げる時は一時停止する必要があります。

さらに改正道路交通法が昨年11月から施行され
自転車利用者の「ながらスマホ」や「酒気帯び運転」に対する罰則ができました。





そして、令和5年7月1日から電動キックボード等のうち一定の基準を満たすものが、
特定小型原動機付自転車と位置づけられて、新しい交通ルールが適用されています
自転車と同じように車道の左側が通行するところ。
信号を守らなければいけませんし、飲酒運転もNGです。

全ての自転車利用者、特定小型原動機付自転車の利用者に
ヘルメットの着用の努力義務が課されています。

ヘルメットは転倒した時やクルマなどに衝突した時、
被害を軽減する効果があります。
安全のためにもヘルメットはかぶるようにして下さい。



«Prev || 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |...| 185 | 186 | 187 || Next»